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在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料は薬の配達だけでは算定不可

在宅訪問が増加している現在、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料(緊訪)の算定が増えています。

しかしながら算定要件を満たしていないと思われる請求が少なくありません。

医師から訪問計画外に患者宅への訪問要請があったとしても算定要件が満たされていない限りは当該点数の算定はできません。

レセプト摘要欄に以下の記載が無い場合は査定対象となります。
・算定の理由
・訪問時間の記載

レセプト摘要欄への記載は、請求の意図をはっきりさせるために大変重要です。
コメントの記載を忘れないようにしましょう。


エンシュア・リキッドを計画外の処方で患者宅へ配送を行った場合。
レセプト摘要欄に
「摂食不良のため医師より配達指示。緊急配達。」
と、書くと査定されます。


そもそも、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料の算定要件としては、計画的な訪問指導と別に、緊急で薬学的管理指導を実施しなければならない場合です。

コメントでは、単に医師の指示により薬剤を緊急配達したに過ぎません。
たとえ医師の求めに応じて緊急に患家を訪問したとしても、薬学的な知見に基づく訪問指導等の必要性がなければ、薬局の患者に対するサービスと考えるのが妥当でしょう。

保険薬剤師として、調剤報酬点数表を正しく理解・解釈する必要があると思われます。

在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料を算定するためには、薬歴に次の事項を記載しなければなりません。

・残薬の有無

・残薬が生じている場合はその量及び理由

・患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無

・副作用が疑われる場合はその原因の可能性がある薬剤の推定

・ 訪問の実施日、訪問した薬剤師の氏名

・当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医又は当該保険医と連携する他の保険医から緊急の要請があった日付及び当該要請の内容並びに当該要請に基づき訪問薬剤管理指導を実施した旨

・訪問に際して実施した薬学的管理指導の内容(服薬状況、副作用、相互作用等に関する確認等を含む。)

・保険医に対して提供した訪問結果に関する情報の要点


『薬の配達』だけで、薬学的管理指導もせず、帰る薬剤師なんているのでしょうか?
いませんよね。「配達」などと記載せず、請求の意図をはっきりとさせるコメントが必要です。