保険薬局は老人保健施設入所者の処方箋を応需できますか?
基本、できません。
老人保健施設の医師は、保険医ではないので、保険薬局における薬剤または治療材料の支給を目的とする保険処方箋を交付できません。また、老人保健施設入所者を往診・通院により診察した保険医も薬剤または治療材料の支給を目的とする保険処方箋を交付してはならないとされています。
処方箋を発行できないので、応需できませんよね。
ただし、次の場合に限り処方箋を交付することができます。抗がん剤や透析用薬剤など例外的に応需可能な場合があります。
- 悪性新生物に 罹患している患者に対して抗悪性腫瘍剤(注射薬を除く。)の支給を目的とする処方箋を交付する場合
- 疼痛コントロールのための医療用麻薬の支給を目的とする処方箋を交付する場合
- 抗ウイルス剤(B型肝炎又はC型肝炎の効能若しくは効果を有するもの及び後天性免疫不全症候群又はHIV感染症の効能若しくは効果を有するものに限る。)の支給を目的とする処方箋を交付する場合
- インターフェロン製剤(B型肝炎又はC型肝炎の効能若しくは効果を有するものに限る。)の支給を目的とする処方箋を交付する場合
- 血友病の治療に係る血液凝固因子製剤及び血液凝固因子抗体迂回活性複合体の支給を目的とする処方箋を交付する場合
- 自己連続携行式腹膜灌流に用いる薬剤の支給を目的とする処方箋を交付する場合
- 診療報酬の算定方法別表第三調剤報酬点数表(以下「調剤点数表」という。)の第4節区分番号30に掲げる特定保険医療材料の支給を目的とする処方箋を交付する場合
- エリスロポエチン(在宅血液透析又は在宅腹膜灌流を行っている患者のうち腎性貧血状態にあるものに対して使用する場合に限る。)の支給を目的とする処方箋を交付する場合
- ダルベポエチン(在宅血液透析又は在宅腹膜灌流を行っている患者のうち腎性貧血状態にあるものに対して使用する場合に限る。)の支給を目的とする処方箋を交付する場合
- エポエチンベータペゴル(在宅血液透析又は在宅腹膜 灌流を行っている患者のうち腎性貧血状態にあるものに対して使用する場合に限る。)の支給を目的とする処方箋を交付する場合
- 人工腎臓用透析液(在宅血液透析患者に対して使用する場合に限る。)の支給を目的とする処方箋を交付する場合
- 血液凝固阻止剤(在宅血液透析患者に対して使用する場合に限る。)の支給を目的とする処方箋を交付する場合
- 生理食塩水(在宅血液透析患者に対して使用する場合に限る。)の支給を目的とする処方箋を交付する場合