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創傷被覆材の保険上の適用(保険の対象疾患)について


保険上の適用(保険の対象疾患)


保険上の適用は、製品毎に医薬品医療機器等法上承認された「使用目的、効能又は効果」に記載のある疾患(薬事上の適用)の範囲で、かつ機能区分の定義を満たす疾患(創傷)が対象です。

したがって、薬事上の適用であっても機能区分以外の創傷は保険上の適用とはなりません。

また、手術の縫合創に使用した場合も算定できません


薬事上の適用

薬機法承認された「性能、使用目的、効能又は効果」に記載のある疾患

以前は、創傷被覆・保護材には医薬品医療機器等法上承認された「性能、使用目的、効能又は効果」があり、使用が許された具体的な疾患名(薬事上の適用)が明示されていましたが、平成 13 年 2月 1 日より全製品の薬事上の適用が下表のとおり、「創傷の深さ」による分類で順次統一しました。

したがって、レセプトには疾患名(適応症)と深さ(深度分類)を併記することが望まれます。


薬事上の適用と保険上の適用の違い

薬事上の適用とは、医薬品医療機器等法に基づいて認められた対象範囲です。保険上の適用とは、保険算定ができる対象疾患です。

一般的に特定保険医療材料は、薬事上の適用が保険上の適用と合致している製品が多いですが、皮膚欠損用創傷被覆材については、下表のとおり合致していません。


真皮に至る創傷用を褥瘡の予防に使用した場合の保険算定

皮膚欠損用創傷被覆材は、真皮以上の深度を有する皮膚欠損部位に対して使用する材料であり、予防的に使用した場合は保険算定できません。


真皮に至る創傷用をI度熱傷、又はI度褥瘡に使用した場合の保険算定

皮膚欠損用創傷被覆材は、真皮以上の深度を有する皮膚欠損部位に対して使用する材料であり、皮膚欠損のない発赤や水疱、表皮のみの軽度な創傷に使用した場合は保険算定できません。


真皮に至る創傷用をII度熱傷に使用した場合の保険算定

II度熱傷(浅達性および深達性II度)は、真皮に至る創傷ですので、保険算定できます。


真皮に至る創傷用を採皮創に使用した場合の保険算定

皮下組織に至っていない採皮創(分層採皮創)に使用した場合は保険算定できます。


皮下組織に至る創傷用を採皮創に使用した場合の保険算定

皮下組織に至る採皮創(全層採皮創)に使用した場合は保険算定できます。


皮下組織に至る創傷用をIII度熱傷に使用した場合の保険算定

薬事上の適用にIII度熱傷の記載がある製品であれば保険算定できます。


皮下組織に至る創傷用をII度熱傷に使用した場合の保険算定

II度熱傷は、皮下組織に至る創傷ではありませんので、保険算定できません。


皮下組織に至る創傷用以外の製品をIII度褥瘡に使用した場合の保険算定

保険算定できません。 (注意: 褥瘡の深度は、分類法により異なりますのでご注意ください。)


IV度褥瘡に「筋・骨に至る創傷用」の製品を使用し、治癒に伴い「皮下組織に至る創傷用(標準型)」や「...(異形型)」の製品に変更した場合の保険算定

両製品の使用期間の合計が 2 週間もしくは 3 週間を限度とした保険適用期間であれば算定できます。 (注意: 褥瘡の深度は、分類法により異なりますのでご注意ください。)


「皮下組織に至る創傷用(標準型)」や「...(異形型)」の製品を同一部位に同じに使用した場合の保険算定

同一部位に対し複数の創傷被覆材を用いた場合は、主たるもののみを算定します。


機能区分の定義にある創傷の深さ

医師の判断によって、使用する際に診断した創傷の深さです。



参考:
皮膚欠損用創傷被覆材(デュオアクティブ)は院外処方可能か