投与期間の上限が設けられている医薬品について、その上限を超えて投与されているものを疑義照会することなしにそのまま調剤することは指導監査の指摘事項に該当します。
プロトンポンプ阻害薬(PPI)は、適応となる用法によっては、投与可能な期間が決められているので注意が必要です。
その、決められた期間を超えて投与されているものについては疑義照会が必要となります。
例:
8週間を超えるネキシウムカプセル10mgの投与
ネキシウムカプセル10mgの処方は、非びらん性胃食道逆流症に対するものと推測できます。
ネキシウムカプセルは非びらん性胃食道逆流症に対し4週間までしか投与できません。
疑義照会を行い投与期間の確認をする必要があります。
また、8週間という処方から、逆流性食道炎や胃潰瘍に対するものである可能性も考えられます。
この場合にも、10mgという用量は承認されている用量ではないので疑義照会を行い、確認する必要があります。
胃潰瘍,吻合部潰瘍:8週間まで
十二指腸潰瘍:6週間まで
オメプラゾール(オメプラゾン・オメプラール)
1日1回20mg胃潰瘍,吻合部潰瘍:8週間まで
十二指腸潰瘍:6週間まで
1日1回20mg
逆流性食道炎:8週間まで
1日1回10mg
非びらん性胃食道逆流症:4週間まで
エソメプラゾール(ネキシウム)
1日1回20mg胃潰瘍,吻合部潰瘍:8週間まで
十二指腸潰瘍:6週間まで
1日1回20mg
逆流性食道炎:8週間まで
1日1回10mg
非びらん性胃食道逆流症:4週間まで
ランソプラゾール(タケプロン)
1日1回30mg胃潰瘍,吻合部潰瘍:8週間まで
十二指腸潰瘍:6週間まで
1日1回30mg
逆流性食道炎:8週間まで
1日1回15mg
非びらん性胃食道逆流症:4週間まで
ラベプラゾール(パリエット)
1日1回10mgまたは20mg胃潰瘍,吻合部潰瘍:8週間まで
十二指腸潰瘍:6週間まで
1日1回10mg
逆流性食道炎:8週間まで
プロトンポンプインヒビターによる治療で効果不十分な場合は1日2回10mg又は1日2回20mgを、さらに8週間投与できる。
内視鏡検査で逆流性食道炎が治癒していないことを確認すること。なお、20mgの1日2回投与は、内視鏡検査で重度の粘膜傷害を確認した場合に限る。
1日1回10mg
非びらん性胃食道逆流症:4週間まで
非びらん性胃食道逆流症:4週間まで
ボノプラザン(タケキャブ)
1日1回20mg胃潰瘍:8週間まで
十二指腸潰瘍:6週間まで
1日1回20mg
逆流性食道炎:4週間まで
なお、効果不十分の場合8週間まで投与できる。