併用注意が疑われるものを疑義照会することなしにそのまま調剤することは指導監査の指摘事項に該当します。
添付文書に併用注意の記載があるものでも、処方されることはよくあります。
例えば、カリメートとマグミットです。
カリメートの作用機序は以下のとおりです。
経口投与後、消化・吸収されることなく、腸管内、特に結腸付近で、本剤のカルシウム・イオンと腸管内のカリウム・イオンが交換され、ポリスチレンスルホン酸樹脂としては何ら変化を受けることなしに、そのまま糞便中に排泄される。その結果腸管内のカリウムは体外へ除去される。
カリメートとマグネシウムを併用すると、カリウムではなくマグネシウム・イオンが交換されてしまいます。
そして、カリメートやマグネシウムの効果が減弱してしまう恐れがあり、期待する効果を得られないかもしれません。
また、併用により全身性アルカローシスなどの症状があらわれたとの報告があります。
透析の患者さんは便秘を訴える方が多く、よく目にする組み合わせだと思います。
カリメートを使用されている透析の患者さんには、マグネシウムなどの塩類下剤ではなく、生薬系の下剤か、ルピプロストン(アミティーザ)への処方変更を提案するのがよいかもしれません。